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サケの生態と魅力 2024年は不漁確定か?

海産物

こんにちは!
北海道北見市の鮮魚や海産物を販売している松浦水産です。
サケ北海道を代表する魚であり、日本人にとってはなじみの深い魚であります。
なじみの魚ですが、意外と知られていないことも多かったりします。

また、2024年予測では秋サケの来遊数が大幅に減っているところが気がかりです。
この記事では鮭の生態と魅力、2024年の予測について説明していこうと思います。

サケの生態と魅力を知ろう!

サケは日本人にとっては身近な魚で、日常の食事のメインのおかずとして並ぶことも多いと思います。
というのも縄文時代からサケが食べられていたようで、貝塚や遺跡にサケの骨や捕獲する道具が見つかっています。
北海道でも同様で、縄文時代からアイヌ民族がサケを主要な食料にしたり和人との交易に用いていたことがわかっています。

これほど大昔から利用されているサケですが、案外知られていないことが多いのです。
ここではサケの生態を中心にサケの魅力を伝えられたらと思います。

サケの生態と一生について

日本でおなじみの鮭の正式名称はシロサケもしくはアキサケ、アキアジと呼ばれます。
英語ではChum salmonまたはDog salmonです。

サケが川で生まれて海で成長して、やがて生まれた川に帰ってくることは皆さんご存知だと思います。
秋に成長した個体が川を遡上して、オスとメスがペアリングをして産卵します。

サケの稚魚の群れ

冬に卵が孵化して川で過ごしますが、翌3月~4月頃に早々に川を下って降海するようになります。
この時期はまだ小魚で小さな水生昆虫を食べています。

河口付近の汽水域や沿岸を過ごしたのち、オホーツク海や北太平洋、ベーリング海を旅するようになります。
この時にエサとしているのが、オキアミやウミノミといった動物プランクトンや小魚を食べて成長します。

 

海で3~4年ほど過ごした後に生まれた川に帰って来ます。
この時のサケは体長70cm前後、体重は3~4kgもの大きさになっています。
夏頃になると生まれた川の沿岸を回遊して、秋に川を遡上していきます。
流れが穏やかな砂利でオスとメスがペアリングをして、メスが川底を掘って産卵してオスが放精します。

産卵・放精が終わった個体は一生を終えてしまいます。
こうしてサケは生命のサイクルを回しているのですね。

サケが生まれた川に帰ってくる理由

サケが川で生まれて海で成長して生まれた川に帰ってくることは昔から知られています。
サケの母川回帰率は90%以上で、カラフトマスは50%前後となっています。

実はサケが生まれた川に帰ってくる明確なメカニズムはわかっていません。
この理由の考えられるものとして、サケにコンパスのようなものを持っていて大まかな場所にたどり着いて、生まれた川を嗅覚で見分けて帰ってくるという説が有力です。

サケの身はサーモンピンクですが実は白身魚

サケの身は白身魚

サケ身を捌くと、身の色はオレンジがかったピンク色でサーモンピンク色となっています。
身の色を見る限りはマグロやカツオのような赤身魚と見られそうですが、実はサケは白身魚です。

この魚の身が赤身がかっている理由は食べているエサにあります。
オキアミといった甲殻類に含まれるアスタキサンチンの色が身の色になっているのですね。

 

サケが安定して漁獲できる理由

サケが日本人にとってなじみの魚の理由は、安定して漁獲されているところにあります。
安定供給するために、北海道や本州のサケが遡上する川の多くは孵化場があって、ここで遡上するサケやカラフトマスを捕らえて人工授精をさせて稚魚を育てています。
春になると稚魚を放流してゆくのですが、近隣の小学校などで稚魚放流体験などが実施されています。

北海道や本州でさけます孵化事業がなされていて、大量の稚魚が放流されています。
しかし、多くの稚魚が放流されていても、川に帰ってくる回帰率は4%前後と言われています。

その理由は稚魚の時にアメマスやサクラマス、ウグイ、ホッケ、ヒラメといった魚に捕食されてしまいます。
また、身体が大きくなってきてもサケより大きい魚やアザラシといった海獣に食べられたりします。
こうした要因で、数%しか戻ってこないのですね。

2024年のサケは不漁が確定している?

サケは孵化事業によって安定した漁獲をしていましたが、ここ数年は雲行きが怪しくなっています。
それは漁獲量を見ていくと明確になっています。


引用元:秋サケ漁獲数34%減 道内定置網10月末、1836万匹 北海道新聞

これまで3,500~5,500千万匹獲れていたものが、2017年以降は漁獲量が減少しています。

 

また、地方独立行政法人 北海道立総合研究機構では北海道の秋サケの資源状況を公表しています。

こちらのPDFを見てみると2024年(令和6年)の秋サケ来遊数は1,703万匹と予測されています。
昨年の2023年(令和5年)の北海道への秋サケ来遊数が2,257万匹だったことで、大幅に減少しています。

上のXでのポストは北海道湧別町の漁師さんのものですが、鮭がいないと悲痛な投稿がされています。
サケが不漁ということは、サケやイクラの価格高騰に直結するため由々しき事態となっています。

 

サケが不漁になっている要因として、沿岸の海水温が高いところにあります。
サケは冷たい水を好むので生育に支障をきたしているというところです。

また、さけます孵化事業の影響も考えられていて、人工孵化された稚魚は自然産卵のものよりも遊泳力が低いとか適応力が低いのではないかとも言われています。
そこで、自然産卵を増やす試みもなされています。

 

サケは刺身では食べられないですが

サケの食べ方としてポピュラーなのが焼き魚ですね。
素材の特性を活かした塩焼きからバター焼きやムニエルにするのが定番ですね。
その他に、サーモンフライといった揚げ物や石狩鍋や三平汁といった煮魚も大変美味しいですね。

煮ても焼いても揚げても美味しいサケですが、一般的に出回っているものは刺身で食べることができません。
その理由はアニサキスやサナダムシといった寄生虫がついているからです。
人間がアニサキスを取り入れると激しい腹痛や吐き気などの症状を起こしてしまいます。

そこで、サケを刺身にするには一度完全に凍らせて寄生虫を死滅させる必要が出てきます。
半解凍した状態のルイベとして食べるか、解凍することで生食が可能となります。
ということで、一般に出回っているサケを刺身にすることはあまり推奨されません。

一方で回転寿司のサーモンやスーパーで見かける刺身はトラウトサーモンやアトランティックサーモンといった養殖のものなので生食や刺身で食べることが可能となっています。

当店では9月頃からサケが並び始めます

サケの販売

サケ漁は9月頃から本格的に沿岸の定置網漁で漁獲されます。
これはサケが遡上前に沿岸を回遊するものを定置網で誘導して捕らえます。
網にかかった魚を船に引き上げて水揚げします。

当店では7月末よりポツポツ入荷してきて、本格的になるのは9月以降となります。
生の一本ものから切り身まで販売していきます。
サケは日常の食卓用からお歳暮などの贈答用のものまで広く販売しています。
秋の旬のサケを広くお召し上がれいただければ幸いです。




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