こんにちは、北海道北見市の鮮魚店の松浦水産です。
北海道の秋の味覚と言えばサケとサンマが真っ先に思いつきます。
いずれの魚はここ数年は不漁が続いています。
やはり魚を販売する身として不漁になると、価格も高くなり量も売ることができないため由々しき事態です。
しかし、2024年のサンマ漁は大漁で魚体も大きいということで、ほっと胸を撫で下ろしています。
この記事ではここ数年のサンマの不漁の原因やサンマ漁の現状を語っていこうと思います。
北海道のサンマ漁の不漁の原因と2024年の状況
2024年のサンマ漁は8月16日に初水揚げされましたが好調で、9月25日は根室の花咲港でおよそ950トンの水揚げで今季最多と報道されています。
これまで1日平均400~500トンのサンマが水揚げされているということで、安定して獲れています。
上のグラフはサンマの漁獲量の推移ですが、2019年以降は目に見えて水揚量が減っています。
サンマという魚の特徴とサンマ漁の仕方
サンマ(秋刀魚)はダツ目-ダツ上科-サンマ科-サンマ属に分類される魚です。
魚体は細長くて頭が尖って体長は30~35cmほどで、寿命は2年となっています。
サンマの大きな特徴として、胃がなくて食べた動物性プランクトンや甲殻類が20~30分ほどで消化されて体外に排出されます。
そのような特性があるので内臓も美味しく食べられるのですね。
主に北太平洋に生息していて、秋になると親潮に乗って根室沖や釧路沖を回遊して、冬に本格的に産卵が始まります。
秋にやってくるサンマを棒受け網漁という方法で漁獲されます。
漁船には強力な集魚灯があって、夜に集魚灯に集まったサンマをすくい上げて捕らえます。
サンマは光に集まる習性を利用した漁が行われています。
2019年以降サンマが不漁だった原因
これまでサンマは年間20万トン漁獲されていましたが、2019年以降は10分の1ほどにまで減少しました。
その要因は大きく2つあって、環境的なところと外国の影響があります。
ここ数年は海水温が高いとか親潮が弱いと言われていて、サンマが北海道沖を通らないとされています。
外国の影響とは日本以外もサンマ漁が行われていて、ロシアや韓国、台湾、中国が公海上で行われています。
上の図表は水産庁・国立研究開発法人 水産研究・教育機構の文書で、1995年~2019年までの各国の漁獲量がわかります。
これまで日本が大多数のサンマを漁獲していましたが、年を追う毎に台湾や中国の漁獲量が日本を上回っています。
現在は北太平洋漁業委員会(NPFC)によってサンマの漁業枠が設定されていますが、上手く機能しているかというと疑問が残ります。
サンマは養殖が難しい魚ということで、天然物を各国が無秩序に漁を続けると資源が枯渇することが目に見えてしまいます。
北海道のサンマ漁2024年の状況のまとめ
サンマは秋の旬の代名詞ですがここ数年、不漁続きでした。
しかし、2024年度は好調ということでほっとしています。
当店でも8月下旬から根室や釧路から安定してサンマが入荷しています。
サンマは塩焼きにして大根おろしを添えて食べることがシンプルかつ最良な食べ方ですね。
その他に、刺身や蒲焼き、竜田揚げ、しょうが煮など煮ても焼いても揚げても生でも美味しい魚です。
今後のサンマの状態は不透明ですが、末永く秋の味覚を味わえるようにしたいところですね。