こんにちは!北海道北見市の魚屋の松浦水産です。
北海道は四方を海で囲まれていて豊富な海産物に恵まれています。
冷たくて穏やかな海に生息する北海シマエビは、海のルビーと呼ばれる貴重なエビです。
この記事では北海シマエビの特徴と当店で扱っている通販について語っていきます。
目次
北海シマエビの生態と通販で手軽に味わう味覚
北海シマエビは体長は8~13cmほどで生きている状態では緑褐色の身体に縦縞があるエビです。
塩茹でなどして熱を加えると、鮮やかな朱色に染まっているのが食欲をそそります。
ボイルして色づいたところが海のルビーと呼ばれる所以です。
正式名称はホッカイエビ、もしくはシマエビですが、広く一般的には北海シマエビ(ホッカイシマエビ)と言うほうが通じます。
北海シマエビの生息や生態、味わいを知ることでもっとこのエビの魅力を語っていこうと思います。
北海シマエビの生息域について
主な生息域は北東北地方から北の海域で、日本海北部のロシアのサハリンや沿海州ウラジオストク周辺、オホーツク海、太平洋となっています。
北海道の主な生息地としてオホーツク海沿岸のサロマ湖や能取湖、知床半島(羅臼町)、野付半島(別海町尾岱沼)、厚岸湖、霧多布沖(浜中町)と限られた地域に生息しています。
北海シマエビにとって快適な環境は、冷たい海水でアマモといった海藻の茂る水の綺麗な浅瀬となっています。
そのため、海と隣接している海跡湖や野付半島の砂嘴のような穏やかな場所を好んでいます。
エサはオキアミといった甲殻類や貝類、植物を摂取して成長します。
このエビの特徴として若い個体はオスとして生きて、成長するとメスに性転換するという特殊な生態を持っています。
そこで、エビ漁で捕らえられて食用となるのは、ほぼ全てメスとなっています。
8月下旬~9月にかけて秋になると産卵期となり、孵化するまでおなかに卵を抱えます。
卵が孵化するのは翌年の5月末~6月初旬くらいとなります。
北海シマエビの漁と流通について
北海シマエビの漁は主にカゴ漁を用いますが、野付半島の尾岱沼(おだいとう)では打瀬網漁が行われています。
カゴ漁はエビカゴにエサを仕込んで網を仕掛けて翌日にカゴを引き上げます。
打瀬網漁とは、動力を用いない帆船を使って網を引いてエビを捕る漁です。
漁獲された北海シマエビは鮮度が落ちやすいため、すぐに塩茹でされていきます。
緑褐色のエビをボイルすることで色が朱色となるのですね。
ボイルすると縦縞が目立たなくなることから、何でシマエビと疑問に思う方も少なくないでしょう。
これまで北海シマエビと言えば、サロマ湖と野付半島の尾岱沼が2大産地でしたが、現在は雲行きが怪しいです。
サロマ湖では2018年から禁漁となっており、2023年には湖岸に大量のエビやカレイの死骸が打ち上げられる事件が起こっています。
とはいえ、2024年7月より7年ぶりに北海シマエビ漁が再開されたことはとても良いニュースです。
また、野付半島の尾岱沼でも2024年は例年6月より漁が行われますが、エビが捕れない状況となっています。
その影響で、毎年6月下旬に開催される尾岱沼エビまつりが中止されるほどです。
北海シマエビはたびたび資源の変動が起こっていますが、なぜ資源が減少するかの要因が特定できない状況のようです。
北海シマエビの食べ方と味わいについて
北海シマエビは鮮度が落ちるのが早く、捕獲してすぐに塩ゆでされてしまいます。
そのため刺身で食べるには、産地の近くの飲食店をあたるか、尾岱沼エビまつりでエビすくいの抽選で当たるなど、ごく限られた機会でしか食べることはできません。
北海シマエビの食べ方はごくごくシンプルで、殻を剥いて何もつけずそのまま食べることです。
味付けは塩のみですが、エビの身がほんのり甘くて弾力のある食感が美味です。
これはスイカに塩をかけると甘みが引き立つのと同じ感覚ですね。
頭の部分にエビミソがあって、少し苦みのあるコクのある風味がします。
エビミソと身を同時に食べることで、ミソのコクと身の甘みが絶妙に絡み合います。
一匹食べると手が止まらずにペロリと食べ尽くすほど夢中になる美味しさです。
当店ではパラボ店と通販で北海シマエビを販売しています!
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当店では北海シマエビを6月中旬から販売していて、北見パラボ店では冷蔵の北海シマエビを販売しています。
こちらは塩ゆでしてパック詰めして未冷凍の状態なので、エビ本来の美味しさを楽しめます。
しかし、鮮度が落ちるのが早いため、お買い上げいただいたらすぐにお召し上がりください。
オンラインショップでの通販でもクール冷蔵の北海シマエビの販売を考えました。
しかし、前述のとおり鮮度が落ちるのが早いことと、本州への配送は最短でも2日かかってしまうことで賞味期限の問題が出てきました。
また、時期が夏ということで本州への配送は、配達中の冷蔵庫の開け閉めによる温度の不安定になることが鮮度を大きく低下するという懸念があります。
そういった2つの大きな問題により冷凍品の北海シマエビを販売することになりました。
北海シマエビは取れる場所が少なくて漁期も短いことで貴重なエビとなっています。
この時期でしか味わえないエビをぜひ味わっていただきたいと思います。